2020.01.24
早く妊娠するために重要な検査や治療は?
しばらくぶりに、妊娠報告をさせていただきます。
まずは、2019年6月に妊娠に至った患者さんは、29歳から、44歳まで、26名でした。
タイミング療法で、29歳から40歳までの方が、10名 妊娠
人工授精で、31歳から36歳までの方が、6名 妊娠
体外受精ー凍結胚移植にて、32歳から44歳までの方が、7名、妊娠されました。
<早く妊娠に至るために、重要な検査と治療>
それでは、早く妊娠するために、是非おすすめしたい検査と治療についてお話したいと思います。
1) まずは、卵管造影検査です。当院では、この検査を行うことで、約半分の方が4ヶ月以内に妊娠されています。
卵管造影検査は、検査と呼んではいますが、卵管や子宮内の環境を変え、妊娠しやすくする治療効果があるのです。
今回6月に、妊娠された方も、7名の方が、卵管造影検査を行って2ヶ月以内に妊娠しました。他院で卵管造影検査を行ったことがある方でも、妊娠しない場合は、当院でもう一度検査をします。今回も、2名の方が、当院で、再検査した後にすぐ妊娠されました。
どこの病院で検査しても効果が同じというわけではないようです。使用する造影剤の種類や、やり方のコツも効果に影響する気がします。
2) 次にタイミング療法についてです。
当院で行っているタイミング療法というのは、単に排卵日をお伝えするというものではありません。
それぞれの方の妊娠しにくい原因は様々です。それぞれの原因に対して独自に工夫した治療を行っています。
たとえば、精子が子宮内に入るために必要な[頸管粘液分泌不全]に対する治療、[多嚢胞性卵巣症候群による排卵障害]に対する治療、受精卵の着床を邪魔する[子宮内膜ポリープ]や[慢性子宮内膜炎]の治療など、様々です。
精子の状態が悪い場合は、ご主人の生活習慣を見直すことや、精子の運動率を改善させるお薬もあります。
妊娠しにくい場合は、自然周期ではなく、排卵誘発剤の内服薬や、注射薬を用いて妊娠率を上げるようにしています。
このような治療を組み合わせて行うことにより、「なるべく早く、妊娠へ」をめざしています。
3)人工授精について
上記のような治療を組み合わせて行うことで、良好な妊娠率をあげています。
他院で体外受精が不成功であった患者さんも、あきらめないでください。
卵管に問題がない方の場合は、他院で体外受精不成功でも、当院で、人工授精で妊娠できるかもしれません。
実際に、他院で体外受精不成功だった多数の方が、当院で、人工授精での妊娠に成功しています。(ただし、卵管に問題がない場合です。)
4)体外受精、顕微授精について
したがって、当院で、体外受精、顕微授精をおすすめするのは、上記のいろいろな方法を試みても結果が出ず、最終的に、この方法でしか妊娠できない(難治性不妊症)と判断した場合になります。